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【小話】粉モン彼氏 ある日のパトちゃんの日米交流

 久し振りに母港に戻ったら休暇がもらえたんで、今日は日米交流も兼ねて航空自衛隊のブルーインパルスの展示飛行を見学に来たんや。一緒に見物に来たんは案内役の康平と彼女の風花ちゃん、それから社君と姫ちゃん。

 相変わらず社君は仏頂面をしているので何でなん?と尋ねてみれば、姫ちゃんが自分のこと放り出してでも見物に来ると言い張ったかららしい。ほんま、男ってどうしようもなく子供でしょうもないわ~と言ったら社君以外は大笑いしていた。社君には睨まれたけどな。次の日米合同演習の時に容赦なくキルコールされへんような気ぃつけな。

「なあ、康平君と社君はあれに志願せえへんの? 望めば推薦してもらえるぐらいの腕はあるんやろ?」

 そう言いながら頭上を横切っていく青と白の練習機を指さす。

「そういうロイはどうなんだよ? 海軍にもあるだろ、ブルーエンジェルスってのが」
「日本では飛ばないのによく御存知で」
「そりゃあ戦闘機乗りなら憧れの存在だから」
「戦闘機乗りじゃなくても憧れですよ」

 康平君の横から姫ちゃんが嬉しそうに口を挟んだ。そうやんなあ、今のブルー達が使用している戦闘機はF/A-18C/D。俺が普段から乗っているスーパーホーネットのお父ちゃん世代にあたるヤツや。姫ちゃん的には是非ともお近づきなりたい機体なんやろうね。

「ほんま、姫ちゃんは好きなんやなあ、あれが」
「だって双発で尾翼の形とかいかにも戦闘機なシルエットじゃないですか。まあ日本では騒音のせいで嫌われ者みたいですけど」

 日本でブルーエンジェルスが飛ばないのはむかーし、展示飛行に来日した時に騒音やら何やらで会場付近の民家の窓ガラスが割れてクレームの嵐になったかららしい。そのクレームにこっちの先輩達が激怒したって話やけど、まあ日本は狭いしアメリカと違って基地と民家が隣接しているからしゃーないわな、こればっかりは。

「見学したいんやったらいつでもウェルカムやで? あっちで色々と案内したるさかい遠慮なく言うてくれたら。もちろん風花ちゃんも一緒に来たらええんやで?」
「本当ですか? 嬉しいなー、何とか休暇が取れるように頑張ります♪」

 ほれ、姫ちゃんは本気やで? 社君どうするん?

「姫、社交辞令を本気にするな」

 あ、大人げないわ社君。

「社交辞令なんて人聞きの悪い。これは本気で本気の御招待やから」
「だそうですよ、社さん」
「それで? 俺の質問には耐えないつもりか?」

 康平君が口を挟んでくる。

「ああ、ブルーに行かないのかって話やったな。うーん、どうやろうな、腕には自信あるんやけどなあ、肝心の協調性が皆無やし」
「あー、なるほど」

 いや、そこで納得されても困るんやけどな? まあ実のところ今の空母勤務が気に入っているというのもあるんや。そりゃあなかなか陸に戻れへんしキャルとは離れ離れな時が多いのが辛いところなんやけどな。ま、うちの火の玉奥さんはそんなことお構いなしに会いたくなったら押し掛けてくるんやけど。

「それで康平君はどうやの、あれ」

 再び頭上を横切っていく練習機を指さす。

「俺の相棒が協調性皆無でさ。俺というストッパーがいないととんでもない事になるし当分は今のままだよ」
「あー……分かる気ぃするわ」

 そう言いながら社君をまじまじと見つめたった。おお、嫌そうな顔しとるわ。

「なんでそこで俺を見る」

 なんでって康平君が言ってる協調性皆無な相棒てどう考えても君のことやん?

「それに、俺も今の機体が気に入ってるからなあ」
「なるほど」

『二人ともれいのヤツの操縦訓練にはこっちに来るんだろ?』

 そう尋ねたかったけど民間人の風花ちゃんもいることやしやめておく。いずれ分かることやろうしな。こいつらが訓練しにきた時は思いっきりしごいたんねん、そんなことを考えたら退屈な陸上勤務も悪くないように思えてきた。


 
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