【小話】恋と愛とで抱きしめて 女子会一コマ

 世の中はまだ夏休みで、子供達が甲府のお爺ちゃんちに泊まりに出掛けているので今夜はみゅうさんと久し振りに二人だけの女子会をすることになった。

 とは言え、お店で飲むと変な野郎が近寄ってきでもしたら追い払うのが面倒くさいし、飲み過ぎた時にどちらかの旦那さんに迎えに来てくれって連絡するのも面倒だからってことで、昼間にあれこれ買い込んでの家飲みってやつだ。

 ちなみに信吾さんはみゅうさんちで門田さんと男子会をしている筈。

「みゅうさんだったら、絶対ここで犯人のことコテンパンにのしちゃいますよね~」

 二人で某テレビドラマ法医学教室の事件簿を見ていると、ラストでヒロインの法医学の先生に呼び出された犯人が、刃物を持って襲い掛かってきたところでそんな言葉が口から飛び出した。 

「なおっち、失礼ね、私だって女なんだからそこまで強くないわよ。……でもこんな優男なら負ける気はしないかも」

 真犯人はヒョロヒョロっとしたお兄さん。みゅうさんなら足蹴の一撃で倒しちゃうそうだな~。

「でしょー? 私はこういう危ないことするのは出来るだけ避けたい人だけど、みゅうさんだったら絶対にこの先生と同じことしてますよね。で、門田さんに叱られるの」
「あのね、うちの旦那は刑事じゃないから」
「でも似たようなものでしょ?」
「体を使うより頭を使う仕事をしているっていつも言ってるから意外と私の方が強かったりして」

 ふふーんと笑いながらみゅうさんはチューハイを飲んでいる。

「でもでも、門田さんも信吾さんと同じで陸自のレンジャーなんでしょ? 元が付くけど」
「なおっちのところのおじさんみたいに毎日鍛えている訳じゃないからね。そうとう錆びついているんじゃないかしら、頭以外は」
「そうなんですか?」

 陸自の人は自衛官をやめても鍛えていそうなイメージがあるんだけど門田さんは違うのかな。

「なおっちの場合は厚労省のお役人と探偵ごっこだろうけど、お役人が男だったら絶対におじさんが首を突っ込んでくるわよね」
「それ洒落にならないですよ」

 前にお世話になった警視庁の刑事さんが何故か不定愁訴外来の患者さんとして一ヶ月に一度か二度やってくるんだけど、そのたびに信吾さんが不機嫌そうな顔をして診察室に押し掛けてくるんだもの、信吾さんのヤキモチには本当に困っちゃう。

 って言うか、どうして診察日を知っているのかも不思議。

 患者さんに対する守秘義務もあるから診察情報やカルテ情報がが洩れているなら大問題なんだけど、パソコンにも手書きのカルテにもそんな形跡はないし、未だに分からないんだよね、信吾さんの情報源。

「こんな風に駆け付けてくれる旦那さんも素敵ですけどね~」

 ヒロインの旦那様は捜査一課の刑事さんで、その刑事さんが間一髪のところに駆け付けて先生を救い出している。

 危険なところを救ってくれるなんてヒーローっぽくて素敵じゃない?

「おじさんが駆け付けたら犯人なんて木っ端微塵で形跡すら残らないんじゃ?」
「それはみゅうさんの方だと思うなあ……」

 そりゃ信吾さんはその辺の人とは比べ物にならないぐらい強いらしいけど。

「そうね、なおっちがこんな危険な目に遭ったら、おじさんが物理的に木っ端微塵にして私が形跡を綺麗に消し去って、うちの旦那がありとあらゆる書類からそいつの形跡を抹消する、うん、完璧ね」
「なに怖いことをサラッと言ってるんですか」

 みゅうさんが言うと冗談とは思えないよ。

 ドラマが終わり、飲み会で散らかしていたお菓子の袋や缶チューハイの空き缶を片付けていると携帯にメールが入ってきた。送り主は信吾さん。

「みゅうさん、信吾さんがこっちにタクシーで戻ってくるから、そのタクシーに乗って折り返せって」
「そうなの? せっかくお泊り出来ると思ったのに」
「野郎二人でお泊りするのは嫌みたい」
「まあ確かにむさ苦しいことこの上ないわね。仕方がないわ、自分の旦那の面倒は自分でみなきゃね」
「久し振りに夜通しお喋りできると思ったのになー」
「それはまた次の機会にしましょ」

 片づけが終わった頃に信吾さんが帰宅して、それと入れ違うようにみゅうさんが帰っていった。

 ちょっとの間だったけど学生の頃に戻ったみたいで楽しかった(^^♪



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Re: 思わずお便りしたくなりました(。>д<)

遅くなりましたがありがとうございます(^^♪
私もあのニュース映像を見て信吾さん達も訓練と称してお城掃除やビル掃除やってそう……なんて考えてました。
小話、一年いろんなイベントがあるので何処かで書けたら良いなと思っています。
その時はまた読んでやって下さい、よろしくお願いします(^^♪
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